自分でできる対策
自分でできるコウモリ対策は、どこまでか
各ページの §09 で挙げているグッズについて、どこに向いていて、どう失敗しやすいかを書きました。 効果が確認できないものは、そう書いています。
大前提として、コウモリ対策は「殺す・捕まえる」ではなく「出ていってもらい、入れなくする」です。
コウモリは鳥獣保護管理法の保護対象で、許可のない捕獲・殺傷はできません(法律のページ)。
追い出しと侵入口の封鎖は許可なくでき、実際に多くの自治体がこの手順を住民に案内しています。
1. グッズ別の向き・不向き
煙の出るタイプの害虫駆除剤(火を使わないもの) ◎ 追い出しの定番
向いている場面:屋根裏・天井裏など、閉じた空間からの追い出し
よくある失敗:出ていくのは一時的です。すぐに侵入口を封鎖しないと戻ります。幼獣がいる時期(6月下旬〜8月上旬)と冬眠期(11月〜3月)には使わないでください。
よくある失敗:出ていくのは一時的です。すぐに侵入口を封鎖しないと戻ります。幼獣がいる時期(6月下旬〜8月上旬)と冬眠期(11月〜3月)には使わないでください。
忌避スプレー(ハッカ油系など) ○ 封鎖直前の追い出し向き
向いている場面:戸袋・シャッターボックスなど、狭い場所からの追い出し
よくある失敗:成分が揮発すると効果が切れて戻ってきます。「スプレー → 出ていったのを確認 → その日のうちに封鎖」までがセットです。
よくある失敗:成分が揮発すると効果が切れて戻ってきます。「スプレー → 出ていったのを確認 → その日のうちに封鎖」までがセットです。
固形忌避剤(ナフタリン等) ○ 封鎖までのつなぎ
向いている場面:屋根裏に置いて居心地を悪くする・追い出し後の再侵入けん制
よくある失敗:置くだけで出ていくとは限りません。臭いが強く、居室に近い場所では使いにくいことがあります。
よくある失敗:置くだけで出ていくとは限りません。臭いが強く、居室に近い場所では使いにくいことがあります。
超音波装置・磁石・CD △ 効果は限定的とされる
向いている場面:(補助的なけん制まで)
よくある失敗:持続的な効果を示す公的なデータは確認できませんでした。慣れが生じて効果が落ちるともされます。封鎖の代わりにはなりません。
よくある失敗:持続的な効果を示す公的なデータは確認できませんでした。慣れが生じて効果が落ちるともされます。封鎖の代わりにはなりません。
封鎖材(金網・パンチングメタル・パテ・ネット) ◎ 対策の本命
向いている場面:追い出したあとの侵入口の封鎖・再発防止
よくある失敗:アブラコウモリは1cmの隙間から入るため、網目は1cm以下が必要です。1箇所でも見落とすと再侵入されます。中にいる状態で塞ぐと閉じ込め(殺傷リスク)になります。
よくある失敗:アブラコウモリは1cmの隙間から入るため、網目は1cm以下が必要です。1箇所でも見落とすと再侵入されます。中にいる状態で塞ぐと閉じ込め(殺傷リスク)になります。
2. 手順は「観察 → 追い出し → 確認 → 封鎖 → 清掃」
① 出入り口を観察する日没前後・数日
日没前後に建物を見て、どこから出入りしているかを特定します。飛び出しは一瞬で、
侵入口は一ヶ所とは限りません。糞が集中して落ちている場所の真上も手がかりになります。
② 追い出す傷つけない
煙の出るタイプの薬剤(屋根裏)や忌避スプレー(戸袋など)で外に出てもらいます。
強い光で照らして誘導する方法を案内している自治体もあります。
③ 取り残しがないか確認する最重要
中に残った個体を閉じ込めると殺傷につながり、死骸・悪臭の二次被害にもなります。
夜間に全頭が出たタイミングを狙うか、上部だけ固定して「出られるが入れない」状態にする方法が確実です。
④ 侵入口を封鎖する網目1cm以下
金網・パンチングメタル・パテなどで、見つけた隙間をすべて塞ぎます。
アブラコウモリは1cmの隙間から入れるため、1cm以下の網目・材料を使ってください。
⑤ 糞を清掃・消毒するマスク・手袋
乾いた糞を掃くと粉じんが舞います。湿らせてから回収し、アルコール等で消毒してください。
素手では触らないこと。糞の見分け方は糞の見分け方のページへ。
時期を外すと、やってはいけない作業になります
- 6月下旬〜8月上旬(幼獣期) ── 飛べない幼獣が中に残っている時期です。追い出し・封鎖をすると親だけを閉め出し、幼獣を取り残します。
- 11月〜3月(冬眠期) ── 冬眠中は動きが鈍く、追い出しきれません。この時期の封鎖は閉じ込めになります。
- 適期は4月〜6月中旬と9月〜10月 ── 自治体も「冬眠時期及び夏の出産時期は追い出しが難しいため、それ以外の時期に」と案内しています(北九州市)。
3. 自分でやらないほうがよい場面
この4つに当てはまるなら、無理をしないでください
- 脚立や屋根の上での作業が必要 ── コウモリの侵入口は軒下・屋根まわりの高所に集中します。転落は、コウモリの被害より重い結果になります。
- 糞が厚く積もっている ── 粉じんを吸い込まないための養生や、断熱材まで汚れていた場合の対応は、個人では困難です。 量が多いときは専門業者のほうが安全です。
- 侵入口が特定しきれない ── 1箇所ふさいでも別の隙間から入り直されます。封鎖が不完全なまま繰り返すと、グッズ代だけが積み上がります。
- 幼獣期・冬眠期に被害が進行中 ── 時期の見極めごと専門業者に任せるのが確実です。
4. グッズ代を重ねる前に
①追い出しても数日で戻ってくる ②糞が毎日たまる ③複数の場所から出入りしている ── このいずれかに当てはまったら、居着きが進んでいます。 数千円のグッズを買い足していくうちに、業者に頼んだ場合と変わらない金額になることがあります。 現地調査・見積もりは無料なので、金額を知ってから決めるほうが判断しやすいはずです。
※対処法の記載は、自治体が公開している住民向け案内(つくばみらい市・北九州市・朝倉市・香川県)と、 専門家による解説(大沢啓子・大沢夕志「家屋・建物内をねぐらにするコウモリ」都市有害生物管理 6(2), 2016)に もとづく整理です。特定の製品の効果を保証するものではありません。